こんにちは、横浜市西区、横浜フォルテ矯正歯科・院長の鈴木です。前回触れたスピード矯正の解釈について、患者さんたちが間違えないようもう少しお話ししてみることにします。
前回お話しした通り、スピード矯正という用語に明確な定義はありません。
インターネットで検索してみると、色んな人が「短期間でできる歯並び治療」という意味で好きなように使っているだけですので中身は様々です。
スピード矯正と呼ばれる歯並びの治療には、矯正治療と補綴治療があることは前回お話ししました。
矯正治療による場合と補綴治療による場合のメリットとデメリットを考えてみましょう。
矯正歯科治療においては、スピード矯正とはコルチコトミーを併用した治療を指すことが多いです。
コルチコトミーとは歯槽骨皮質骨切除術とも言い、簡単に言えば歯の周りの骨を一部切除したり、骨に刻み目を入れることで歯を動きやすくする手術です。
これにより、歯列矯正の治療期間を半分に短縮できるとも言われています。
補綴治療との比較での大きなメリットは、健康な歯を削る必要がないことです。
また、自分の歯が綺麗に並ぶわけなので、かぶせものを取り替える必要もありません。
デメリットとしては、外科手術ですので侵襲を伴うこと、通常の矯正治療費にプラス手術費が必要になること、必ずしも大幅に治療期間が短縮される保証がないことが挙げられるでしょう。
通常の矯正歯科治療であればそんなデメリットもありません。
次に、補綴治療によるスピード矯正について考えてみましょう。
補綴治療とはいわゆる歯のかぶせものによる治療のことです。
補綴によるスピード矯正とは歯を削って小さくして、歯並びのよいかぶせものを装着するという意味なのです。
○週間で終わるスピード矯正!とか
3回で終わるスピード矯正!とか
書いてあったらまずかぶせものによるもので間違いありません。
数週間とか3回で終わるというのは本当ですが、何と言ってもリスクが大きい治療法です。
最大のデメリットは健康な歯を削らなくてはいけないということです。神経を取らなくてはならない場合も多く、歯の寿命の短縮に確実につながります。削ってかぶせても並ばないほど位置が悪い歯は抜かれてしまうこともあります。
費用面でも、はじめてかぶせものを入れた時は矯正歯科治療と同じか、安く済むかも知れませんが、悪い歯の位置で無理やりかぶせているわけですから、結局何年かごとに壊れたり中が虫歯になったりして作り替えになることが殆どです。生涯での費用を考えると数百万円なんて金額になってしまうこともあるでしょう。
------削ってしまった歯はいくら悔いても戻ってきません。------
全否定はしませんが、並べるのが目的であれば余程の事情が無い限り健康な歯は削るべきではありません。
矯正装置の見た目が気になるのであれば、見えない矯正(舌側矯正、マウスピース矯正)も選択することができます。
蛇足ですが、摩擦の少ない矯正歯科装置(セルフライゲーションブラケット)を用いて歯列矯正の期間の短縮を図るものをスピード矯正と言っていることもあるようです。
ただ、最近ではセルフライゲーションブラケットを用いても治療期間は変わらないという論文が多く発表されており、スピード矯正と言っていいものかどうかは微妙なところです。
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