矯正治療におけるミニマルインターベンション
近年の虫歯治療ではミニマルインターベンション(minimal intervention)と言って、虫歯に対して最小限の侵襲、最小限の治療を行うという概念が主流になっています。
要するに虫歯はできるだけ悪いところだけを削って治しましょうということです。
そう言われると当たり前に聞こえるかも知れませんが、以前の虫歯治療では健全な歯質、あるいはまだ自然治癒できる可能性が有る歯質も、今の治療と比較して多く削っていました。
その理由として、
・初期の虫歯が自然治癒できること(再石灰化)が現在ほど重要視されていなかった。
・現在ほど小さな詰め物(コンポジットレジン)の強度や接着性が良くなかった。
ことが挙げられます。ちょっとでも虫歯になり始めていたらしっかり削りとった方が良いと考えられていたわけです。
自身の歯質より優れた修復材料など有りませんので、近年ではできるだけ歯質を残した方が予後が良いと考えられています。
さて、ここまで虫歯の話をしましたが、私は矯正歯科医ですので、専門外である虫歯治療は行いません。
ですが、ミニマルインターベンションという概念は矯正歯科にも当てはまる部分が有るのではないかと考えています。
分かりやすい例で言えば、抜歯をせずに良好な治療結果が得られる症例で抜歯を選択したならば最小限の侵襲ではないでしょう。
最小限の介入という意味で、子供の矯正治療の期間はどうでしょうか。
子供の矯正治療の内容には、「成長期にしかできないこと」と「成長終了後でもできること」が有ります。
前者の「成長期にしかできないこと」が必要な場合は、小児矯正を行った方が良いでしょう。
後者の「成長終了後でもできること」を小児の時期から行い、更に成長終了後まで矯正治療を続けることにより、矯正治療の期間が成人矯正だけを行う場合と比較して長くなる場合が有ります。
この場合の小児治療が無意味と言っているわけではありませんが、症例によっては矯正治療にかかる期間と苦労に見合うのかどうかを考えるべきなのではないでしょうか。
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