矯正歯科医が育つには10年
第109回歯科医師国家試験の合格発表がありました。
本年度の受験者全体の合格率は63.58%。引き締めが続いています。
やはり毎年母校の合格率が気になりWebでチェックしますが、今年は上々と言ったところです。
歯科医師過剰が叫ばれて久しいですが、矯正歯科医はとても過剰とは言えず、個人的にはむしろ不足しているように思えます。
国家試験に合格して研修医を終えた歯科医師は法律的には誰でも患者さんに対して矯正治療をしても良いわけですが、
実際に矯正治療の技術を習得するには、合格後に大学病院の矯正歯科の医局へ所属して研鑽を積む必要があります。
各大学によってその研修カリキュラムは異なるのですが、通常3〜5年となります。
大学6年+研修医1〜2年+矯正科3〜5年ですから、矯正歯科医になるには10年以上必要ということになります。
歯列矯正治療を受ける患者さんは毎年増加していますが、矯正歯科医は大学病院が育てられる人数に限りがあるため、それに合わせて増えたりはしていません。
結果として日本では一般歯科医が矯正治療を行うケースが多くなってきています。
とりわけ、一見手軽なマウスピース矯正でその傾向が強くあります。実際はマウスピース矯正はそんなに簡単ではなくビックリするような失敗例も多く出てきています。
中にはうまくいっている治療例もあるとは思いますのでその全てを否定するわけではありませんが、普段虫歯を治療しているドクターがそのまま矯正治療をしますという場合は即決はしない方が無難です。
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