部分矯正+抜歯という組み合わせは基本的にありません
歯の矯正治療では、歯を並べるスペースの獲得のため、あるいは出っ歯を引っ込めるスペースの獲得のために便宜的に抜歯を行う場合があります。
抜歯を行った場合は基本的には全顎的な矯正治療が必要になります。
部分矯正では抜歯した大きなスペースを閉じることはできませんし、そこまで大きな移動をするのに部分的に歯を動かしたのでは噛み合わせが悪くなってしまうリスクも有ります。
部分矯正を行う際にスペースを獲得する方法として、IPR(Interproximal reduction, 歯の側面を少しだけ削ること)があげられます。
歯の形態や大きさにもよりますが削れる量はわずかであり、1歯あたり0.5mmほどといったところです。前歯6本を少しずつ削ったとして得られるスペースは0.5×6=3.0mm。
例えば重度の出っ歯(上顎前突)の場合、前歯を10mm後退させる場合もあります。
となると当然3mmのIPRでは全く足りませんので抜歯+全顎矯正が必要ということになります。
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