activator。アクチベーター、FKO(エフカオー)とも言う。機能的矯正装置の一つ。成長期の子供の矯正治療に用いる。骨格に合わせて上顎、下顎の成長促進、成長抑制を行い、バランスの良い骨格に近づけるための矯正装置。
アスティクスリテーナー
唇側線が歯の色に近い白いグラスファイバーで出来ており、装着していてもほとんど目立ちにくいプレートタイプのリテーナー。
マウスピース型矯正装置(アソアライナー)
アソインターナショナル社独自の、透明のマウスピース型矯正装置を用いた治療装置。起源は韓国である。原則的にマウスピースを食事の時を除いて一日中使用して歯の移動を行う。透明であるため、殆ど人に気づかれずに歯列矯正を行うことができる。
石膏模型を分割、セットアップし、セットアップ模型からマウスピースを作成する。1回の印象採得で3ステップ分までマウスピースを作成することが可能である。矯正治療開始時のシリコン印象をスキャンして、全マウスピースを一度に作成するマウスピース型矯正装置(インビザライン)と比較すると、印象採得の回数が多くなるが、その分、治療方針の修正が容易である。
カスタムメイド舌側装置(インコグニート)
ドイツで開発された舌側矯正のシステムの一つ。装置が薄く違和感が少ない。ブラケットおよびブラケットベースが金でできている。
※カスタムメイド舌側装置(インコグニート)は海外技工物のため、完成物が薬事法対象外となります。
完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
●メリット
既製品と違い、オーダーメイドの装置なので、装着によるストレスを軽減し、より良い治療結果が得られます。
矯正装置の異物感が少なく、痛みや発音障害がおきにくいです。
●デメリット
カスタムメイドの装置のため装置の準備まで時間がかかります。
また、治療の期間もかかります。費用が従来の装置よりも高額になります。
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)
透明のマウスピース型矯正装置を用いた治療装置。世界中で約200万人の治療実績を持つ。舌側矯正(歯の裏側からの矯正)と同様、人に気付かれにくくに矯正治療を行える方法の一つ。
マウスピースは終日の装着が必要であるが、食事の際には外す。2週間に1度新しいマウスピースに交換し、歯を移動していく。表側矯正と比較し、目立ちにくいことの他、虫歯になりにくい、痛みが少ないというメリットも有る。
ただし、どんな症例でもマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)で治療が可能と言うわけではないので、矯正を専門とする歯科医師による判断が好ましい。
エンドチューブ
歯列矯正用バッカルチューブの一つで、主に最後臼歯に装着するもの。ウイングが無いので高径が低い。
オープンコイル
歯と歯の間のスペースの獲得や保隙の目的でアーチワイヤーに装着するコイル。ニッケルチタン、ステンレス、コバルトクロム、ベータチタンなどのものが有る。
オクルーザルプルヘッドギア
出っ歯(上顎前突)の治療に用いられるヘッドギアの一種で、牽引方向を咬合平面と平行にしたもの。第一大臼歯の圧下や挺出を伴わない。
関連項目:サービカルプルヘッドギア、ハイプルヘッドギア
顎間ゴム
がっかんごむ。固定源の確保や、咬合の緊密化を目的として、上顎と下顎のそれぞれのフックにかけるゴム。患者自身が取り外しをし、基本的には終日使用する。顎間ゴムの使用頻度が治療の結果を大きく左右することも多い。
急速拡大装置
上顎骨の幅を短期間で拡大する装置のこと。Rapid Maxillary Expansion。上顎の正中口蓋縫合を離開させて拡大を行うため、骨化の完了する中高生までの使用が望ましい。
上顎の歯槽骨の幅が、下顎のそれに対して狭い場合に有効な装置である。装置の使用中に上顎前歯に正中離開が生じるが、拡大が奏功している証拠であり、後で閉鎖すれば問題無い。
矯正用インプラント
歯を動かすための絶対的な固定源として矯正治療の間だけ骨に埋めるインプラントのこと。直径1.4〜2.0mmほどの小さなスクリュータイプとプレートタイプが有る。矯正用インプラントにより、従来であれば外科的矯正治療を必要としたような症例の一部が、手術をせずに治療できるようになった。2012年日本矯正歯科学会によりガイドラインが作成され、歯科矯正用アンカースクリューという名称となった。
金属アレルギー用矯正装置
特定の金属に対してアレルギーのある患者さんに用いられる、金属を含まない、あるいは生体親和性の高い金属を用いたワイヤーやブラケットなどの矯正装置のこと。
クワドヘリックス
歯列矯正装置の名称。上顎の歯並びの拡大に用いられる、4つのループを含んだワイヤーの固定式拡大装置。歯並びの幅を広げてスペースを獲得できるため、歯を抜かない矯正治療を行う場合に用いられることが多い。
結紮線
歯列矯正用ブラケットにメインワイヤーを結びつけるための細いワイヤーのこと。いくつかの太さの種類があるが、いずれも直径.010インチ前後である。一般的には銀色であるが、審美性を重視した白い結紮線も存在する。
コンバーチブルチューブ
第一大臼歯に装着する歯列矯正用バッカルチューブの一つで、取り外しのできるのキャップを備えたもの。キャップを取り外すと、ツインブラケットとして使用できる。
コンビネーションヘッドギア
出っ歯(上顎前突)の治療に用いられる矯正用ヘッドギアの一種で、ハイプルヘッドギアとサービカルプルヘッドギアを併用するもの。上顎大臼歯の挺出や圧下が起こりにくい。
サービカルプルヘッドギア
出っ歯(上顎前突)の治療に用いられる矯正用ヘッドギアの一種で、首を固定源にするもの。牽引方向が後下方となり、上顎大臼歯の挺出を伴うため、咬合挙上の働きも併せ持つ。よって、過蓋咬合を伴う上顎前突に用いられることが多い。
関連項目:オクルーザルプルヘッドギア、ハイプルヘッドギア
歯科矯正用アンカースクリュー
歯を動かすための固定源として歯槽骨に埋入する直径1.4〜2.0mmの細いネジ。以前は矯正用インプラント、マイクロスクリュー、ミニスクリューなどと様々な名称で呼ばれていたが、2012年に日本矯正歯科学会がガイドラインを作成し、歯科矯正用アンカースクリューに統一された。専用のドライバーを用いて、少量の局所麻酔下で埋入する。使用後は容易に撤去が可能である。歯科矯正用アンカースクリューを用いることにより、従来では不可能であった治療計画が実現できるようになった。
上顎前方牽引装置
じょうがくぜんぽうけんいんそうち。フェイシャルマスク。うけ口(反対咬合)の治療に用いられる。上顎の成長期に適用される。上顎骨の成長を促し、骨格性の反対咬合を治療する。フェイシャルマスクは取り外しのできる矯正装置で、就寝時を含めて、在宅時に使用する(1日10〜14時間)。
シングルブラケット
歯列矯正用ブラケットの形態の一つで、結紮線をかけるウイングが2つしかないもの。ウイングを有するツインブラケットと比較し、近遠心的な幅が小さいため、インターブラケットスパンを長く取れるが、歯の動きのコントロール精度が劣る。
セラミックブラケット
セラミックでできた歯列矯正用、審美ブラケット。同じく審美ブラケットであるプラスチックブラケットと比較し、変色に強い。反面、比較的サイズが大きい、非常に硬いため、対合歯の摩耗のリスクが有る、などのデメリットも有る。
セルフライゲーションブラケット
開閉する蓋を装備しており、蓋を閉めることによってワイヤーを把持し、結紮を不要にしているブラケットのこと。ワイヤーが滑る際の摩擦が少ないため、矯正治療での歯の移動に伴う痛みが少ないとされている。矯正治療期間が短縮できるという説も有るが、最近では治療期間に有意差は無いという報告も多い。チェアタイムが削減できるのは疑いようのない事実である。
チンキャップ
子供の下顎前突(うけ口)の治療に用いられる矯正装置。下顎が大きい場合や位置が前に出ている場合に用います。チンキャップの装着により、下顎の成長の抑制や、位置の変化による、上下の顎のバランスの調整を図ります。夜間を中心に10~12時間以上装着することが望ましく、一般的に骨の成長が活発になる前(個人差はありますが9~15歳頃)の患者さんに使用されます。
ツインブラケット
歯列矯正用ブラケットの形態の一つで、結紮線をかけるウイングが4つあるもの。現在では最もポピュラーなブラケットの形態である。ウイングが2つしかないシングルブラケットと比較し、近遠心的な幅が大きいため、歯の動きのコントロール精度が高い反面、インターブラケットスパンは短くなる。
ツインブロック
機能的矯正装置の一つ。上下顎分離型であるため、比較的違和感が小さい。上下顎にそれぞれ拡大ネジを組み込むことができる。斜台にレジンを添加することにより再活性化が可能である。
ナンスのホールディングアーチ
永久歯の抜歯をともなう矯正治療で、上顎の奥歯が前方に移動しないように留めておく為の固定式の矯正装置。
歯列矯正における加強固定を目的に使用します。前歯を大きく後方に下げる必要があるときに使用します。初めは違和感や発音への影響が有りますが、数週間で慣れるケースが殆どである。歯列矯正治療の期間を通じて装着されることはほぼ無く、治療中に必要なくなった段階で撤去される。
バードビーク
矯正用プライヤーの一つ。ワイヤーの屈曲に用いる。鳥のクチバシのような形をしていることからこう呼ばれる。
ハーブスト
成長期の子供に用いる、下顎骨の成長促進を目的とする固定式の矯正装置。同様の目的では取り外しのできる装置を用いるのが一般的で、それほど多く用いられてはいない装置である。
バイヘリックス
歯列矯正装置の名称。固定式の歯列拡大装置の一つ。クワドヘリックスはヘリカルループを4つ有するが、バイヘリックスは2つである。下顎では舌があるためクアドへリックスの装着が困難であり、バイヘリックスが用いられることが殆どである。
バンド
歯列矯正治療で用いられる、奥歯に装着する金属の輪のこと。帯環。バンドに矯正装置を溶接あるいはロウ着してから歯に接着する。歯に装置を直接、接着すると脱落の危険性が高い時に用いられる。
ブラケット
ブレースとも言う。歯を矯正的に移動させるワイヤーを結紮するための固定式の装置。歯に接着するため、患者が取り外すことはできない。以前は全てメタルブラケットであったが、近年では半透明のブラケットが主流である。
プラスチックブラケット
プラスチックでできた歯列矯正用、審美ブラケット。セラミックブラケットと比較し、柔らかいため、対合歯を損傷するリスクが無い。また、メーカーにもよるがセラミックブラケットより装置が一回り小さいことが多い。プラスチックであるため、吸水するが、最近のプラスチックブラケットは変色も少ない。
ヘッドギア
上顎大臼歯の固定あるいは遠心移動を目的とする顎外固定装置。歯列矯正用インプラントの台頭とともに使用される頻度が少なくなってきている。頭を固定源とするハイプルヘッドギア、オクルーザルプルヘッドギア、首を固定源とするサービカルプルヘッドギアがあり、症例によって使い分けされる。
ペンデュラム
上顎大臼歯の固定式遠心移動装置の一つ。口蓋に固定源を求めたレジンパッドとワイヤー、ワイヤーを挿入するスロットから構成される。
ミニスクリュー
スクリュータイプの矯正用インプラントのこと。マイクロスクリューも同じ。補綴治療用のインプラントと比較して小さいことからこう呼ばれる。
歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)
乳歯列から用いることができる、小児用のうけ口(前歯部反対咬合)改善のための装置。簡単に取り外しが可能である。乳歯列から矯正治療を開始することは少ないが、うけ口は放置すると骨格的な下顎前突に発展してしまうリスクが有るため、歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド) のような機能的矯正装置で早期に対応するこことも多い。就寝時の使用がメインとなる。
モジュール
ブラケットにワイヤーを結紮する際に用いるゴムのこと。透明のものが一般的であるが、矯正治療をオシャレに見せて楽しみたい人のために様々な色のカラーゴムも有る。
リテーナー
保定装置と同義。矯正治療終了後に歯並びが後戻りしないように、歯を良い位置に留めておく装置のこと。取り外しのできるプレートタイプ(プラスチックのマウスピース)と、歯の裏側に接着し取り外しのできないフィックスタイプ(細い針金)がある。
⇒アスティクスリテーナー(見えないリテーナー)
リンガルアーチ
舌側弧線装置。矯正歯科治療における代表的な装置の一つで、様々な使用目的が有る。大臼歯のバンドを起点とし、直径0.8〜0.9mmの主線が小臼歯〜前歯部の歯頸部を沿うのが基本的な設計。そのまま装着し、保隙や加強固定を目的とすることも有れば、補助弾線をロウ着して、歯の移動を図ることも有る。
リンガルボタン
歯の移動や固定も目的として、様々なシチュエーションで歯面に接着される小さな金属のアタッチメント。透明のプラスチック製のものも有る。
Bi-helix
2つのヘリカルループを組み込んだワイヤーの、歯列緩徐拡大装置。上顎にも下顎にも用いられる。
FKO
エフカオーと読む。可撤式機能的矯正装置の一つ。アクチバトールとも言われる。
成長期の子供の上顎前突(出っ歯)や、機能的反対咬合(うけ口)などの治療に用いられる矯正装置。
Jasper jumper
ジャスパージャンパー。ノンコンプライアンスのII級矯正装置。噛み合わせると、上顎歯列が後方へ、下顎歯列が前方へ押される力が加わる。
Lip bumper
リップバンパー。咬唇癖(下唇を噛む癖)の除去の目的で、用いられる取り外しのできる矯正装置。上顎前歯の舌側傾斜、下顎前歯の唇側傾斜(出っ歯の改善)、下顎大臼歯の遠心移動の効果がある。
quad-helix
4つのヘリカルループを組み込んだワイヤーの、上顎歯列の緩徐拡大装置。クワドヘリックス。上顎の歯並びを広げるための矯正装置。ループを組み込むことにより、装置の弾性が増し、弱い力を持続的にかけることができる。
RME, RPE
rapid maxillary expansion, rapid palatal expansionの略で、上顎骨の急速拡大(装置)のこと。毎日朝晩の2回、自宅でネジを回すことにより、1〜3週間ほどで大きくスペースを獲得できる。上顎骨の正中口蓋縫合の離開が必要なため、骨化の進んだ成人では適用は難しい。拡大後の保定が必須である。
SMAP
super mini anchor plateの略で、プレートタイプの矯正用インプラントの一つ。歯を動かすための絶対的な固定源となり、矯正治療終了後に撤去する。従来では外科的矯正治療を必要としたような症例でも、SMAPなどの矯正用インプラントを用いることにより、手術無しで治療ができる場合が有る。
TAD
temporary anchorage deviceの略。直訳すると一時的な固定源となる装置なので、全ての固定装置を指すように思えるが、実際には矯正用インプラントのことを指す。歯を移動させるための絶対的な固定源として、ミニスクリューなどの矯正用インプラントを骨に埋入し、不要になった段階で抜釘する。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
2.歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間が延長する可能性があります。
3.装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療は患者さんの努力が必要となります。それらが治療結果や治療期間に影響します。
4.治療中は、装置が付くため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
5.歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
6.ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
7.ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
8.治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9.治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
10.様々な問題による影響で、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
11.歯の形を修正や、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
12.矯正装置を誤飲する可能性があります。
13.装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
14.装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないため、後戻りの生じる可能性が高くなります。
15.装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
16.あごの成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
17.治療後に親知らずが生え、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
18.矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。