こんにちは、横浜フォルテ矯正歯科の鈴木です。
矯正治療で歯に接着する装置をブラケットと言います。そこにワイヤーを通すわけですが、ただ通すだけでなく、ブラケットに外れないように結びつけます。
これを結紮(けっさつ)と言います。英語ではligationです。
結紮には結紮線という細い針金か、ゴムを使います。
これが一般的ですが、セルフライゲーションブラケットという、ブラケットに蓋がついており、それを閉めることによって結紮を不要にしたものがあります。
結紮をなくしたことにより、摩擦が少なくなり、歯の動きが速くなって治療期間の短縮に繋がると言われていたのですが、最近ではやはり治療期間に変わりはないと報告されています。
そもそも熟練した矯正歯科医であれば、結紮の力はコントロールできるため、摩擦に関して言えばセルフライゲーションブラケットに頼る必要は全くありません。
ただし、セルフライゲーションブラケットには結紮の時間を短縮するという大きなメリットがあります。どんなに手先の器用な矯正歯科医でも結紮線での結紮には1歯あたり数秒を要しますが、セルフライゲーションブラケットならほんの1秒くらいです。
余った時間を細かいクリーニングなどに割けるというのが、セルフライゲーションブラケットの最大のメリットと言えます。