こんにちは、矯正歯科医の鈴木です。
日本矯正歯科学会から帰ってきたばかりですが、鉄は熱いうちに打てということで、記憶が新鮮なうちに学会のことをブログに綴っていきたいと思います。
今大会は第4回国際会議も兼ねていまして、WFO(World Federation of Orthodontics;世界矯正歯科医連盟)会長のRoberto Justus先生の講演を拝聴してきました。
講演の内容は、小児矯正治療に焦点を当てたもので、子供のうちに矯正治療をはじめることがいかに大きなメリットをもたらすかということを再確認できるものでした。
子供の矯正治療は
・歯の外傷、歯根吸収の抑制
・永久歯抜歯の必要性の軽減
・口唇閉鎖能力の獲得
につながります。
また、Justus先生は出っ歯に対する機能的矯正装置の効果について否定的です。機能的矯正装置とは、下顎の成長を促すことにより、出っ歯を治療するマウスピースです。長い歴史が有り、現在でも世界的に、もちろん日本でも多く用いられていますが、実はその効果については最近特に意見が分かれています。
もしかすると数十年後には効果のない装置として、廃れているかも知れません。
最近、日本の保険適用から除外された抗生物質の除外理由が「効果を認めないため」だったそうです。
日々進歩する医療の世界に身を置くのであれば、新しい知識を得ることは義務と言えます。
そうしなければ、患者さんが不利益を被ってしまいます。