アーティキュラーレ

矯正歯科の診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。下顎枝後縁と後頭骨基底部下縁の交点。

アングル分類

1899年にAngleが提唱した、第一大臼歯の噛み合わせの関係を表す分類。理想的な噛み合わせの状態がI級、上顎の第一大臼歯が前方にある場合がII級、その逆がIII級である。出っ歯の場合はII級、受け口の場合はIII級になっていることが多い。

イーライン(E-line)

エステティックライン(E-line)

側貌(真横から見た顔)において、鼻の先と、顎の先を結んだラインのこと。このライン上に上下唇の先端が有るのが美しいとされる。唇の位置は前歯の位置に大きく影響を受けるため、出っ歯(上顎前突)の人はE-lineに対して口元が突出し、受け口(反対咬合)の人はE-lineに対して口元が後退します。

矯正治療は歯並びだけでなく、顔貌の審美性も考慮して治療計画を立てなくてはなりません。無理な非抜歯による歯列矯正を行うと、口元が突出してしまうことが有るので注意が必要です。

オルビターレ

セファログラムの計測点の一つ。眼窩外縁上の最下方に位置する点。フランクフルト平面に接する。

下顎下縁平面角

フランクフルト平面と下顎下縁平面のなす角度。FMA、Mandibular plane angleとも言う。その角度と噛み合わせの力は反比例する傾向にある。

重ね合わせ

異なる2時点以上のセファログラムを用いて、成長の度合いや治療の効果を比較検討すること。Superimposition.セファログラムは規格写真であるため、文字通りレントゲンを重ねて見ることによって比較することができる。

顔面平面

フェイシャルプレーン。セファログラムの基準平面の一つで、ナジオンポゴニオンを結んだ平面のこと。

グナチオン

セファログラムの計測点の一つ。顔面平面 (Na-Pog)と下顎下縁平面となす角の二等分線がオトガイ隆起前縁と交わる点。

ゴニオン

歯科矯正学の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。下顎枝後縁(Ar-Ramus down)と下顎下縁平面が交わる角の二等分線が下顎骨縁と交わる点。

歯槽基底弓長径

矯正歯科での診断に用いる模型分析の計測項目の一つ。左右第一大臼歯遠心接触面から中切歯唇側歯肉最深部の距離。大坪式模型計測器などで計測する。Basal arch length.

関連項目:歯列弓長径歯槽基底弓幅径

歯槽基底弓幅径

矯正歯科での診断に用いる模型分析の計測項目の一つ。左右第一小臼歯の根尖に相当する歯肉最深部間の距離。模型上で矯正歯科用ノギス等で計測する。Basal arch width.

関連項目:歯列弓幅径歯槽基底弓長径

歯列弓長径

矯正歯科での診断に用いる模型分析の計測項目の一つ。歯並びの長さをあらわす分析値。大坪式模型計測器などで計測する。左右第一大臼歯遠心接触点を結ぶ線から中切歯切縁までの距離。Coronal arch length.

関連項目:歯列弓幅径歯槽基底弓長径

歯列弓幅径

矯正歯科での診断に用いる模型分析の計測項目の一つ。歯並びの幅をあらわす分析値。模型上でノギスで計測する。左右の第一小臼歯頬側咬頭頂間の距離。Coronal arch width.

関連項目:歯列弓長径歯槽基底弓幅径

セファログラム

頭部X線規格写真のこと。矯正治療の検査で必ず撮影する横顔のレントゲン写真。骨格や歯の傾きを詳しく分析することができる、世界共通の規格写真であるため、異なる施設で撮った2時点のセファログラムを重ね合わせ、比較検討することができる。大学病院や矯正を専門とする歯科医院では矯正治療開始前に必ず撮影し分析が行われる。

セラ

セファログラムの計測点。トルコ鞍中心点。S 点はトルコ鞍の壷状陰影像の中心点と定義される。視診によって求める。

頭部X線規格写真

矯正治療の検査で必ず撮影する横顔のレントゲンのこと。セファログラムとも呼ばれる。骨格や歯の傾きを詳しく分析することができる、世界共通の規格写真である。大学病院や矯正を専門とする歯科医院では矯正治療開始前に撮影し分析が行われる。

ナジオン

矯正歯科の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。N点とも呼ばれる。鼻骨前頭縫合の最前点として定義される。セラとナジオンを結ぶ平面をSN平面と言う。

ノギス

距離を計測する道具である。歯冠幅径を計測しやすいよう矯正歯科用ノギスでは特に先端が尖っている。

ハイアングル

下顎下縁平面角(FMA)が大きいこと。⇔ローアングル

バジオン

矯正歯科学の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。大後頭孔の最前縁部の正中点で、頭蓋底の最後橋。

ピーティーポイント(PT-point)

矯正歯科の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。セファログラム上で見られる翼口蓋窩後壁と正円孔下縁との交点。

ポゴニオン

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。下顎骨オトガイ隆起部の最突出点。ナジオンとポゴニオンを結んだ平面を顔面平面と言う。

ポリオン

矯正歯科治療の分析で用いるセファログラムの計測点。骨外耳道の上縁の中点。あるいは、イヤーロッドの最上点。区別するために前者をアナトミカルポリオンと呼ぶことがある。

メントン

矯正歯科の診断で用いるセファログラムの計測点の一つ。Most inferior point on the synphyseal outline。下顎結合部正中矢状面の最下方に位置する点。

模型分析

矯正歯科における資料の分析の一つで、歯型から作成した模型を計測し、歯の大きさや歯並びの幅、歯槽骨の幅などを計測すること。一般的に計測する項目は、歯冠幅径、歯列弓幅径、歯列弓長径、Basal arch width、Basal arch length。計測には矯正歯科用ノギスを用いる。

予測模型

セットアップモデルとも言う。矯正治療開始前の模型を複製し、1本1本歯をバラバラにして、治療終了時の歯並びに並び替えたシミュレーション模型のこと。

ANS

矯正歯科治療の診断に用いるセファロ分析の計測点の一つ。Tip of the Anterior Nasal Spineの略。前鼻棘の先端のこと。

arch length discrepancy

アーチレングスディスクレパンシー。歯並びを整えるために、不足している、または余っているスペースのこと。単位はmm。スペースが不足している場合は-、余っている場合は+の符号をつける。

スペースが不足している場合は、歯並びは叢生(ガタガタ)になり、余っている場合は空隙歯列(すきっ歯)となる。スペースが足りない場合には、歯列矯正により歯並びの幅を広げたり、歯を後方に移動したりして、すき間を確保しますが、それでも足りない場合は抜歯が選択される。スペースが余っている場合も見た目や発音の問題から歯列矯正治療の必要が有り、すきっ歯のスペースの閉鎖を行う。

ディスクレパンシーとは不調和という意味で、アーチレングスディスクレパンシーの絶対値が大きいことは、歯と顎の大きさのバランスがとれていないことを表している。

Articulare(Ar)

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。アーティキュラーレ。Intersection of inferior cranial bas 〜surface and posterior surface of condyle. 下顎枝後縁と後頭骨基底部下縁の交点。

A-point

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。A点。前鼻前鼻棘と歯槽頂の間における上顎骨彎曲の最も深い点。Deepest point between ANS and the upper incisal alveolus.

Basion

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。バジオン。大後頭孔の最前縁部の正中点で,頭蓋底の最後橋。Most inferior point of external auditory meatus.

B-point

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。B点。下顎骨オトガイ隆起部の最突出点と下顎歯槽縁間の正中矢状断面上の最も深い点。Deepest point between Pogonion and the lower incisal alveolus.

cant

カント。咬合平面の傾きのこと。

Condylion(Co)

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。下顎頭の最上後方点。
It is the most superior point on the condylar head.*

Corpus

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。下顎下縁平面の左。the point of a tangent of the inferior border of the corpus; mandibular plane left.

E-line

Esthetic line。イーライン、エステティックライン。鼻の頭と顎の最前点を結んだ線。横顔(側貌)を評価する際に、上下の唇がエステティックラインに近いものが良いとされる。

Gnathion

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。グナチオン。顔面平面 (Na-Pog)と下顎下縁平面となす角の二等分線がオトガイ隆起前縁と交わる点。on the born Gnathion, gnathion is the point of intersection of facial and mandibular planes.

Gonion

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測点の一つ。ゴニオン。下顎枝後縁(Ar-Ramus down)と下顎下縁平面が交わる角の二等分線が下顎骨縁と交わる点。the intersection of the lines tangent to the posterior margin of the ascending ramus and the mandibular base.

Hinge Axis

ヒンジアキシス。コンダイルの中心 。Co-Cr で使用する回転の中心。Center of Condyle.

Interincisal angle

歯科矯正学で用いるセファロ分析の計測項目の一つ。インターインサイザルアングル。上下顎中切歯の成す角度。前歯が唇側傾斜するほど鋭角となる。

Menton

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。メントン。下顎結合部正中矢状面の最下方に位置する点。Most inferior point on the synphyseal outline.

Nasion

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。ナジオン。鼻骨前頭縫合の最前点として定義される。'V' notch of frontal and nasal bone.

Orbitale

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。眼窩外縁上の最下方に位置する点。フランクフルト水平面に接する。Orbitale, Most inferior point of the orbital contour.

PM

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。PogonionB-pointの凸状から凹状に変化する変曲点。
Point where curvature changes between B-point and Pogonion.

PNS

後鼻棘の尖端。
Tip of the Posterior Nasal Spine.
ANSとPNSを結んだ平面をpalatal planeと言う。

Pogonion

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。下顎骨オトガイ隆起部の最突出点。
Most anterior point of the symphysis.

Porion

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。解剖学的なポリオンは、骨外耳道の上縁の中点。器械的なポリオンは、イヤーロッドの最上点。
Anatomy Porion、Most superior point of external auditory meatus.

PT-point

矯正歯科で診断に用いるセファログラムの計測点の一つ。X 線フィルム上で見られる翼口蓋窩後壁と正円孔下縁との交点。11 o'clock position of the pterygoid fissure.

Ramus inclination

矯正歯科の診断に用いるセファロ分析の項目の一つ。FH planeに直交する直線とRamus planeの成す角度。

R1

歯列矯正の診断に用いるセファロ分析の項目の一つ。下顎枝の前方の(FH 平面に垂直な)最深点。
Deepest point on the curve of the anterior border of the ramus.

R3

歯列矯正の診断に用いるセファロ分析の項目の一つ。下顎頭と筋突起間の(FH 平面に平行な)最下点。
Most inferior point of the sigmoid notch of the ramus.

Sella

矯正歯科の診断に用いるセファロ分析の計測点の一つ。トルコ鞍中心点。S点はトルコ鞍の壷状陰影像の中心点と定義される。視診によって求める。Sella, A constructed point in the middle of the sella turcica.

SNA

矯正治療の検査で撮影するセファログラムにおける角度分析の計測項目の一つ。SN planeとA pointのなす角度。頭蓋骨に対する上顎骨の前後的な位置を表す。

SNB

矯正治療の検査で撮影するセファログラムにおける角度分析の計測項目の一つ。SN planeとB pointのなす角度。頭蓋骨に対する下顎骨の前後的な位置を表す。

SN plane

矯正歯科の分析に用いるセファロ分析の基準平面の一つで、SellaNasionを通る平面。

Xi

Xi(ザイ)は下顎枝のほぼ中央、下顎神経の入り口である下顎孔付近を表す点。Ricketts分析法で側貌セファログラム分析を行う場合に求める。

Y-axis

歯列矯正の診断に用いるセファロ分析の計測項目の一つ。SellaGnathionを通る直線とFH平面とが成す角度。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

1.最初は矯正装置による不快感、痛み等があるものの、数日から1、2週間で慣れることが多いです。
2.歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間が延長する可能性があります。
3.装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療は患者さんの努力が必要となります。それらが治療結果や治療期間に影響します。
4.治療中は、装置が付くため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
5.歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
6.ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
7.ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
8.治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9.治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
10.様々な問題による影響で、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
11.歯の形を修正や、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
12.矯正装置を誤飲する可能性があります。
13.装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
14.装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないため、後戻りの生じる可能性が高くなります。
15.装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
16.あごの成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
17.治療後に親知らずが生え、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
18.矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

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