リテーナー
保定装置と同義。矯正治療終了後に歯並びが後戻りしないように、歯を良い位置に留めておく装置のこと。取り外しのできるプレートタイプ(プラスチックのマウスピース)と、歯の裏側に接着し取り外しのできないフィックスタイプ(細い針金)がある。
⇒アスティクスリテーナー(見えないリテーナー)
リテーナー洗浄剤
取り外しのできるマウスピースタイプのリテーナーの洗浄剤。薬局では売られていないため、矯正を専門とする歯科医院か、あるいは通販でも購入できる。材料が近い、部分入れ歯用の洗浄剤でも代用が可能である。全部入れ歯用の洗浄剤を用いると、金属部分が腐食してしまうため使用しない。
リラップス
矯正治療後の後戻りのこと。リテーナー(保定装置)の使用状況が悪いと起こりやすい。
リンガルアーチ
舌側弧線装置。矯正歯科治療における代表的な装置の一つで、様々な使用目的が有る。大臼歯のバンドを起点とし、直径0.8〜0.9mmの主線が小臼歯〜前歯部の歯頸部を沿うのが基本的な設計。そのまま装着し、保隙や加強固定を目的とすることも有れば、補助弾線をロウ着して、歯の移動を図ることも有る。
リンガルボタン
歯の移動や固定も目的として、様々なシチュエーションで歯面に接着される小さな金属のアタッチメント。透明のプラスチック製のものも有る。
ルートコントロール
歯根の向きのコントロールのこと。矯正治療をして一見綺麗な歯並びになっていても、骨の中の歯根の向きが整っていない場合も有る。歯根の向きまできちんと整えることが矯正歯科を専門とする医師には求められる。
ループフォーミングプライヤー
オメガループなどのアーチワイヤーに付与するループを成形するためのプライヤー。先端の筒状の部分が3段になっており、成形するループのサイズを変えることができる。
レジンリムーバー
ブラケット撤去後に歯面に残ったボンディング材を撤去するためのプライヤー。パッドの部分を臼歯の咬合面や、切歯の切縁に当て、先端を残存したレジンのエッジに引っ掛け、上方へ弾くように使用する。
連続抜去法
永久歯の萌出スペースが不足している場合に、永久歯列へのスムーズな交換を図る目的で、乳犬歯、第一乳臼歯、そして萌出した第一小臼歯を連続して抜歯すること。骨格的にIII級傾向のある症例には禁忌である。
鑞着
ろうちゃく。ワイヤーとワイヤーを銀鑞などでくっつけること。鑞着に必要なものとしてワイヤーの他に、トーチ、シルバーソルダー、フラックス、軽石などが挙げられる。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
2.歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間が延長する可能性があります。
3.装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療は患者さんの努力が必要となります。それらが治療結果や治療期間に影響します。
4.治療中は、装置が付くため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
5.歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
6.ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
7.ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
8.治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9.治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
10.様々な問題による影響で、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
11.歯の形を修正や、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
12.矯正装置を誤飲する可能性があります。
13.装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
14.装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないため、後戻りの生じる可能性が高くなります。
15.装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
16.あごの成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
17.治療後に親知らずが生え、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
18.矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。