移植

歯を移植すること。移植と言っても他人の歯を移植するわけではなく、自分の歯を別の場所に移すことを言う。例えば、歯を失ってしまったところに親知らずを移植するなど。

インターディシプリナリーアプローチ

interdisciplinary。「学際的な」という意味。さまざまの領域の学者や専門の医師が協力し合うこと。歯科におけるインターディシプリナリーアプローチとは、虫歯は一般的な歯科医師、抜歯は口腔外科を担当する医師、歯列矯正は矯正を専門とする歯科医師、静脈内鎮静法は麻酔科の医師が行うというように各分野の専門を担当する医師が協力して治療にあたることを言う。

親知らず

第三大臼歯、智歯のこと。親が気付かない年頃に生えるという歯という意味である。人間の歯の数は退化傾向にあるため、親知らずの一部あるいは全部が先天的に無い人も多い。近代日本人では親知らずまで綺麗に並ぶということは殆ど無く、生えてきても中途半端に歯肉に埋まっており、炎症の原因となることが多い。

ブラックトライアングル

歯と歯の間の歯茎が下がってしまい、そのすき間が黒い三角形に見えること。歯周病が進行すると見られる。歯並びがガタガタで長年経過している部分は歯茎が下がっていることが多いため、高齢者の歯列矯正治療の後ではブラックトライアングルが目立ってしまうことが有る。

補綴治療

クラウン(いわゆる差し歯、銀歯や白いセラミックの歯など)、ブリッジ、インプラント、デンチャー(入れ歯)など、喪失した歯を補うための治療のこと。補綴治療と矯正治療が両方必要な場合は、治療の順序を、治療開始前に良く検討することが肝心である。歯列矯正治療を行うと、歯の位置や噛み合わせが変化するため、補綴治療より矯正治療が先行することが多い。

矯正治療に矯正を専門とするドクターがいるように、補綴治療を専門に学んだドクターがいる。矯正を担当する歯科医師がそのまま補綴治療も行うということは、通常は無い。→インターディシプリナリーアプローチ

埋伏歯

口腔内に萌出せずに、歯槽骨の中に埋まっている歯のこと。本来萌出すべき歯が埋伏している場合、矯正治療で牽引することがある。

ミニマムインターベンション

削る、抜くなどの歯に対する外科的な治療を最小限にとどめよういう考え方。抜歯の基準は一様ではないため、担当医によって同じミニマムインターベンションでも、抜歯の適応となる歯も有れば、そうでない歯も有る。

癒着歯

2本の歯と歯がくっついた状態になっていること。2つの歯はセメント質のみでくっついている。本来抜ける時期が異なる乳歯がくっついてしまっうと、永久歯との生え変わりに支障をきたす場合があるため、注意が必要である。

癒合歯

2本の歯と歯がくっついた状態になっているもののうち、象牙質を含めて一体化したもの。本来抜ける時期が異なる乳歯がくっついてしまうと、永久歯との生え変わりに支障をきたす場合があるため、注意が必要である。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

1.最初は矯正装置による不快感、痛み等があるものの、数日から1、2週間で慣れることが多いです。
2.歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間が延長する可能性があります。
3.装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療は患者さんの努力が必要となります。それらが治療結果や治療期間に影響します。
4.治療中は、装置が付くため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
5.歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
6.ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
7.ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
8.治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
9.治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
10.様々な問題による影響で、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
11.歯の形を修正や、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
12.矯正装置を誤飲する可能性があります。
13.装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
14.装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないため、後戻りの生じる可能性が高くなります。
15.装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
16.あごの成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
17.治療後に親知らずが生え、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
18.矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

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